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法人成りしたら、お財布にご注意!

法人成りしたら、事業とプライベートのお財布は明確に分ける必要があります。

 

個人事業主のうちは、自分のお財布やカードで支払い、自分の口座に売上を振り込まれるので、全部自分のお金!という感覚だと思います。

しかし法人成りした後は、自分が100%株主であったとしても、事業で動くお金は全て会社のものになります。

 

会社用の文房具ひとつ買うにしても、領収書があれば経費として損金算入できるでしょ、となんでも自分のお財布から出すのは好ましくありません。

 

もちろん役員立替で精算というのもありですが、精算一覧や受取領収書を作ったりと事務は煩雑になります。

 

ましてや普段使っている個人のカードで支払いをしたり、自宅の家賃引落等がされている個人口座に売上の入金があったりすれば、プライベートと混同している、と判断されるリスクがあります。

 

では具体的に【お財布】の中身をみていきましょう。

 

◉現金

法人口座に振り込んだ資本金を使う。役員借入として支払った場合には、一覧化し、立替精算を行う。

金庫に現金を置く場合には、小口現金の管理を行う。

 

◉法人口座

すみやかに取引先に売上の振込口座の変更依頼をする。

事業にかかる光熱費、事務所家賃、通信費などの引落を個人口座から法人口座に変更する。

 

◉カード

必要な場合、できれば法人カードを作るべきだが、設立年度は審査が厳しい。

個人カードをプライベートでは使わないカードにすることで代用可能。もちろん私的には一切使わないこと。

 

いずれのお財布も、要はプライベートと混ざっていないと一目で分かることが重要です。

 

 当たり前といえば当たり前なのですが、始めにしっかり分けないとルーズになってしまいます。ちゃんと整理して、気持ちよくスタートできるようにしたいところです。

従業員に金券渡しちゃった!?

設立したばかりの会社で、入社した社員に対して商品券を渡しているケースがありました。

 

入ってくれてありがとう、というお礼だそうで、一律で渡しているので福利厚生費としていました。

 

確かに従業員全員に対するものなので該当しそうですが、問題は渡したのが現金化が可能なものであったことです。

 

これは給料であると見なされますので、所得税の課税対象となります。

 

確かに前職で福利厚生レクリエーションの企画をさせられた時に、ビンゴの景品を商品券にしようとしたら総務からストップがかかったのを思い出しました。

こういうことだったのか(−_−;)

 

知識がないと知らずにやりがちなことあるあるですね。

社長には説明した上で給与課税してもらう予定です。

 

福利厚生費は役員のレジャーじゃない!

映画や観劇、スポーツ観戦などの領収書を、福利厚生費だと言って送ってくる一人社長がいました。

サプリメントや美容院代を、福利厚生です、という女性社長もいました。

 

規模のある会社では福利厚生としてカフェテリアプランがあったり、社員旅行があったり、イベントを行ったりと慰安やレジャー的な印象があるため、一人社長も自分のためのレジャーは福利厚生にあたる、という発想のようです。

 

福利厚生費は社会保険等の法定福利費のように、あくまで従業員の福利を向上させるためのものです。従業員全員に等しく施される現金化できないものに限られるため、給料課税もされません。 

 

始めの例に戻りますと、接待であれば交際費もありえますし、業種により撮影などのために必要な美容院代は経費になります。でも本人が福利厚生という言葉を使うからにはプライベートなんだろうなと思いつつ、先生に報告。

 

社長の福利厚生なんてプライベートなんだからそりゃ否認されますよ、社長たちを諭してくださりました。

 

普通に考えれば事業に寄与する支出ではないと分かっているので、あたかも権利のように福利厚生というところに浅ましさを感じてモヤモヤしていましたので、先生にビシッと言ってもらえてスッキリしました(・◇・)/~~~

 

世の中社長だらけ

これまで規模のある組織にいたので、社長といえば、【めったに会えない人】のイメージでした。

 

しかし事務所にはお客様の数だけ社長がいるわけで。事業内容、規模は様々ながら、会社を設立したからにはとにかくみんな社長!

社長遭遇率が段違いにアップしました。

 

以下、【主観と対処法】 ε=ε=ε=┌( ̄◇ ̄)┘

 

□60過ぎのおじさん社長はせっかちで自分の世界の常識でしか話さない。

→表面上は相手の発言を否定しない。理解出来ないとイライラするので、相手の世界の言葉で話す。

 

□若手IT系社長は基本メールのやり取りを好み、レスが早い。

→用件は簡潔に。こちらも即レスする。

 

□30-50代で自分の好きなことをしている女性社長は独特のオーラがある。波長が合えばファンになっちゃう可能性も。

→褒められ慣れている人が多いので、自分が相手に憧れや敬意を抱いていることを示すと、色々スムーズ。

 

□40-50代で少し事業規模が大きくなってきた男性社長は自意識過剰。賢く見られたい、尊敬されたい気持ちが大きい。

 →いい気分にさせるべし。経験ないけど、会計知識のあるキャバ嬢になったつもりで対応するといいのかも。

 

□中国人社長

お金にシビア。不要と思うことにはビタ一文出さないが、納得すると気前よく出してくれる。

→そもそもなぜルールを守る必要があるのか、あ説明することになる。曖昧なことを言うと信頼を失いがち。

 

□相談相手がいない社長はとにかく電話が長い。

 →心を許してもらっていると思って諦める。

 

時には厳しいことを言ったり、釘をさしたりする必要もあるのですが、私ではどうしても重みが出ないので、そういう時は先生に言ってもらいます。

知識と経験を重ねて、早くこの社長さん達と渡り合えるようになりたいものです(^^)

 

 

会社設立 最初の仕訳は?

中小企業向けの会計事務所なので、個人事業主からの法人成りが少なくありません。

 

発起人=一人親方=一人株主 パターン

 

登記の際、当然ながら法人口座はまだないので、社長の個人口座に資本金を払い込んでもらいます。

 

先日、設立一年目の会社の月次会計をして試算表を出したら、あれ?資本金がない(・・?)

 

設立のバタバタで、法人口座に資本金を移すのを忘れていたとか。

考えてみれば設立時点でまっ先にすべき仕訳なのに、社長からの借入や入金でなんとか回っていたので気付きませんでした…

 

★正解★

□設立日の日付で【現金/資本金】

□法人口座開設後、資本金を振り込み、【口座/現金】

 

ちなみに資本金は1/2まで資本準備金に出来ることは知っているのに、どんな時に準備金にするといいのかは知らないかも(ノ_<)

今のところ、どの会社も全額資本金の模様。 

 

まだまだ知識と実務がパラレルワールドです。